臨床疫学          Department of Clinical Design


2017年度大学院生募集

千葉大学医学薬学府博士課程大学院先進予防医学共同専攻の出願は7月26日から28日までです。臨床疫学では1名を募集しています。講義は土日のみですので、社会人としての生活を維持しながら医学博士になれます。医療系の学部を卒業していなくても大丈夫です。4月から6月までの週末に医学の基本知識を学ぶコースが用意されています。昨年度も予防医学共同専攻コースでは40%の方が医療系以外の卒業生でした。ぜひ一緒に学びましょう。

出願要綱はこちらです。


臨床疫学では何を研究しているの?

予防医学センター臨床疫学の活動を紹介するポスターを作成しました。

どうぞご覧ください。

ダウンロード
臨床疫学のご案内
臨床疫学の目的と活動内容の一端を紹介しています。
先進予防医学共同専攻臨床疫学.pptx
Microsoft Power Point プレゼンテーション 401.2 KB

平成26年1月1日、千葉大学予防医学センターに臨床疫学教室が開設され藤田伸輔が初代教授に就任しました。


疫学の歴史(このセクションはWikipediaを参照しました)

疫学の幕開け

医学は人類誕生とともに始まったようです。化石とともに薬草と言われる植物が出土し、骨折の治癒痕や、ビタミンA過剰症を思わせる変形などが見つかっています。またアイスマンには針用のツボと思われる位置に入れ墨がありました。

薬草を見つけるためには多くのトライ&エラーがあったはずです。薬効と服用方法と用量を確立するためには多くの経験に微調整を加えながら開発したはずです。統計学的手法をもたない中で薬効にたどり着くには非常に長い時間と多くの失敗を経験したはずです。

西洋医学の父と言われるHippocratesがendemicとepidemicという言葉を作りました。endemicとは特定の地域だけでみられる疾病であり、epidemicとは特定の時期だけにみられる疾病です。このepidemicが疫学と翻訳されています。Hippocratesによって疾病解明への扉が開かれたのです。

本格的な疫学の確立は16世紀中頃のGirolamo Fracastoroによります。彼は目に見えない粒子が空気中を漂って疾病(感染症)が広がること、およびそれが火によって阻止できることを提唱しました。Galenmiasma theory(患者さんからは毒をもつガスが出ている)を否定し感染症への扉を開きました。1543年にFracastoroは患者さんと環境に対して消毒を実践し、疾病予防を実証したことを本に記しています。

疫学の発展

疫学がその力を発揮するためには統計学が不可欠です。その端緒を開いたのはThomas SydenhamJohn Grauntでした。17世紀半ば、Sydenhamはロンドンでの発熱性疾患を分類しました。これが西洋医学における最初の疾病分類です。続いて雑貨商でアマチュア統計家のGrauntが1662年にロンドンの感染症の疾病統計を作成し、罹患率、余命という概念を提唱し、それまでの疫病に対する通念を否定しました。しかしその直後1665年から1666年に起こったロンドン大疫病において活躍することは出来ませんでした。

今日の疫学はDr. John Snowに始まりました。1854年ロンドンでこれらが大流行した際にSnowは患者を地図に表示し、その分布が当時考えられていた患者から発する毒性のガス(miasma theory)では説明できないこと、公共井戸が怪しいことを示しました。そして実際にその使用を禁止したところ感染の拡大が止まり、彼の推測が正しいことが証明されました。

その後もPeter Anton Schleisnerによって新生児けいれんが臍帯の不潔によって生じることや、Ignaz Semmelweisによる感染症予防の先がけ的研究成果をあげたこと(大変悲しい歴史なのでリンクをご覧下さい)など19世紀に現代医学の幕開けとして疫学が大きな推進力となりました。

数学との連携

つまるところ、疫学は医学理論と数学(統計)との複合学です。数学を応用して長命な業績を上げた人物としてはRonald Ross(マラリアの研究)、Janet Lane-Claypon(母乳の研究)、Anderson Gray McKendrick(偏微分を考案、連続時間マルコフ過程の特殊モデルBirth-Death Processを考案し人口推計、感染症の伝搬モデル作成など)が特に有名です。

数学が発展し、誰もがコンピュータを自在に操れるようになった今日、疫学は全ての医学分野の基盤となったと言っても過言ではないでしょう。基礎医学においても臨床医学においても、橋渡し研究においても、疫学的手法なくしては成り立ちません。

新たな疫学へ:    Clinical Design

Clinical Designという新たな用語を用いる私たちの意図は、「日々の臨床そのものを疫学ベースで設計したい」からです。今日の医学は厳密に設計された臨床試験によってますますその進歩の速度を速めています。一方日々の診療では多くのガイドラインが作成され、ガイドラインに従った診療が強く求められるようになりました。これらを総合すると、臨床医の責務は診断を正しく行うことで治療に創意工夫はいらない、という方向に進んでいるとも考えられます。しかし実際の臨床にはまだまだわからないことだらけです。むしろ日々の臨床から生じる疑問を一つずつ解決することを求められていると思います。

Designとは内面の本質を表現する手段です。内面の本質が何かを深く考え、見た人が一目でその本質を理解できるように、また対象物が本質を最も効率的に表現できるようにDesignします。臨床家はその信念を最も具現化する診療方針を立て、患者さんと家族にわかりやすく説明し、医療を提供しなければなりません。これを支えるのが新たな臨床疫学=Clinical Designです。

ビッグデータの活用

多くの人々の健康情報を解析して安全で有効な治療法を推進したいという医療者の夢は現実のものとなろうとしています。千葉大学医学部附属病院でもこれまでの診療記録を自由に解析することを可能にしました。しかし情報は集めるよりも、そこから有意義なことがら(知恵)を導き出す方が遙かに困難です。私たちは医学知識を数式で表現し、これをもとに個人に最適な治療法を選択する手法の開発を目指しています。

平成28年4月、患者中心の医療を文字通りに進めるための情報共有システムSHACHIが稼働しました。SHACHIにたまっていくデータは解析して健康増進に役立てていくことを前提としています。データ解析システムSHACHI-Brainと解析結果や健康増進の工夫を冊子にまとめたSHACHI-Booksと一体になってプロジェクトを進めていきます。

健康ビッグデータ解析に興味のある方は学生、研究者、企業いずれも歓迎します。

研究ツール

現代の医学は数多の偉大な先達の業績によって作り上げられたものです。しかし今なおそこかしこに理論のほころびがあることも事実です。日々の臨床経験や研究生活の中で「あれっ?」といったちょっとした引っかかりから理論のほころびに気づくことが多いようです。このような引っかかりを日々書き留め、それらを時々眺めなおすことから研究のきっかけとなるResearch Questionに発展します。

あるいは研究室において仲間たちとブレインストーミングを行い、2×2などのツールを使ってResearch Questionを引き出す方法もあります。

Research Questionが見つかったらResearch Noteに書き出し、どのように研究したら良いかを考えてみましょう。

ダウンロード
Research Note
Research note.docx
Microsoft Word 13.3 KB

6月4日講義資料

本日の講義は手違いから多くの方に聞いていただくことができませんでした。

以下のスライドでわからないことはメールでお尋ねください。

また上記のResearch Noteをかける範囲で記載し、6月7日火曜日中にご提出ください。

ダウンロード
医療統計学.pptx
Microsoft Power Point プレゼンテーション 1.3 MB