千葉県共用地域医療連携パスは地域疾病管理を行うことを目的としています。
一般にはクリティカルパスウェイ(Critical Pathway)の略称としてパスという言葉を使用します。一つの医療機関内で使われるパスは治療の手順と方法を決めて、効率的で安全な治療を行うことを目的としています。またアウトカムという達成目標を決めて運用することがクリティカルパスウェイのルールです。
千葉県共用地域医療連携パスは、治療の手順や方法は決めていませんし、アウトカムも決めていません。どのように患者さんを診ていくのか、医療機関間で紹介する時にはどのような情報を提供すべきかを決めているだけです。心筋梗塞のパスは原則1年間ですが、これも含めてずっと使い続けて頂けるものです。地域で、あるいは医療機関間でどのような治療方針を採用するのかを決め、その結果治療成績がどのように改善するかを測定するための道具です。
また千葉県共用地域医療連携パスは患者さんが主体的に自分の健康を守るための道具でもあります。疾患をコントロールするために重要なデータが一覧表の形で記載されていますので、うまくコントロールするための道具として使ってください。日常携帯して、他の医療機関を受診する時や、急病の時などに医師に見せてください。きっと速やかな診療に役立ちます。
ぜひ千葉県共用地域医療連携パスをご活用ください。
平成23年2月現在、千葉県共用地域医療連携パスには以下のようなものがあります。千葉県のホームページからそれぞれのパスをクリックしてその用紙(PDF)またはエクセルのシートをダウンロードできます。
脳卒中パス
心筋梗塞パス
糖尿病パス
がんパス
胃がんパス
大腸がんパス
肺がんパス
乳がんパス
肝がんパス
子宮がんパス
前立腺がんパス
があります。
脳卒中パス維持期の管理では糖尿病や虚血性心疾患、動脈硬化などを合併した方も多いと思います。そこでこれら3つのパスを一元的に扱うパスの試用版をエクセルで作成しました。1000というのは平成23年度中に1000名以上の患者さんに使っていただきたいという目標です。
ぜひご意見をお聞かせください。
パスを使った診療を検討されている方はご連絡ください。導入に向けての説明会開催も可能です。
ご連絡はfujitan@faculty.chiba-u.jpまたはFAX(043-226-2632)にてお願いします。
脳卒中パスでは診療報酬の請求が認められています。