千葉大学医学部附属病院では、より良い医療提供体制を構築するために、地域の医療機関の皆様や介護・救急・行政等に携わる皆様との適切な役割分担や連携が不可欠であると考えております。この連携体制を一層深め、千葉県内における医療提供体制充実の一助とするため、平成19年度から毎年1回、「千葉県地域連携の会」を開催しております。
平成29年7月8日(土曜日)に千葉大学西千葉キャンパスにて開催いたします。
本年度は、第4回日本医療連携研究会との同日開催となります。
日程及び会場等が例年と大幅に変更になるため、皆様には御迷惑をお掛けし申し訳ございませんが、御参加をお待ちしております。
詳細は、こちらを御覧ください。
地域連携を理解する鍵は地域疾病管理です。
私たちの目的は地域の方々の健康増進です。 全ての住民の健康を守るためには医療機関はもとより、行政、保健所、介護(地域包括、ケアマネ)、健康増進施設、商店、教育機関、住民団体などが健康増進に向けて一体となル事が必要です。それぞれの役割を理解し、互いに相手の機能を活用できるように行動するIPW(InterProfessional Work:専門職種連携実践)が大切です。
医療は以下の4種類の予防から成り立つと考えられています。
1次予防:疾病が起こらないように衛生に気をつけたり予防接種したりすること
2次予防:疾病を早期に発見するために健診を行ったり医療機関にかかりやすい環境を整えたりすること
3次予防:病気になった人に適切な医療を提供すること
4次予防:多くの患者さんの診療結果を解析し、副作用や事故が少なく効果の高い、よりよい治療を見つけること
注:千葉大学予防医学センターでは環境改善(有害な物質の排除)による出生前からの健康増進を0次予防と呼ぶことを提唱しています。
糖尿病を例にとってみましょう。
医療機関に受診中の患者さん(3次予防)の血糖管理だけではなく、
既に発症しているが様々な事情で受診できていない人が速やかに受診し適切な治療を受けられるようにすること(2次予防)、
発症していないが近い将来糖尿病を発症するであろう人に対して生活改善を支援し健診を受けるように勧めること(2次予防)、
家族や親戚に糖尿病の方がいて、将来糖尿病になる危険性が高い人への生活改善を支援すること(1次予防)、などを進めていきます。
生活改善はご本人だけの努力では大変困難で有り、家族、友人、同僚など
全ての地域の方々の協力が必要です。どこのレストランでも低カロリーメニューがあり、糖尿病の方が何の気兼ねなく会食に参加できる必要があります。
どんなに仕事が忙しくても医療機関に受診できる体制が必要です。
一方医療機関では、どのような薬が最も効果が高いのか、副作用が多いのはどの薬か、定期的に受診してくれるのはどのような治療・指導法か、といった「最適の治療法」を把握する必要があります。
このような情報は、日々の診療を通じて、私たち自身で作り出す必要があり、統計学的に正しく情報を分析し、それを活用する能力が必要です。このため私たちは統計講座とICF講座を開催しています。
私たちが考える「顔の見える連携」とは、相手(地域の住民と医療者)のことを良く理解して行動する、「喜ぶ顔の見える連携」です。